家族葬と言っても・・・旧来のお葬式と何が違うのか?
家族葬 という言葉は聞いたことあるけど・・・実は「その違いは…よく解らない…」という皆様もいらっしゃると思いますので、家族葬の特徴や流れについて紹介します。
結論から申しますと…全体的な流れは変わりません。
葬儀の流れに関しては、家族葬でも旧来の一般的なお葬式でも変わりません。
上と下…どちらも、同じ内容です。
家族葬でも、ご永眠から葬儀、そして葬儀後まで、流れはすべて同じです。
葬儀中でも、2日間という限られた時間の中で、通夜 → 葬儀…火葬、収骨と進み、どなた様でも変わる事はありません。
家族葬の中身
家族葬の定義は曖昧ですが、一応…全国で共通しているのが「家族と親族を招いた20名ほどのお葬式」という事です。
しかし…これは、葬儀業者の目線の話です。
喪主目線で、家族葬 の内容をお伝えすると…
家族葬は…何か特別なイベントをプラスして行う葬儀スタイルではありません。
逆に…旧来のお葬式から、ご遺族様にとって…必ず必要とはいえない…式中のイベントを省略したのが 家族葬 の特徴です。
なので、家族葬 の宣伝文句と言えば・・・
- アットホームで負担が少ない
- 気を遣わない
- ゆっくりと過ごせる
などなど、「喪主が〇〇〇できる… または 〇〇しやすい…」といった内容が目立ちます。
ちなみに… 「家族葬 = 葬儀業者が作った商品名」です。
家族葬で省略する内容
では、家族葬では何を省略しているのでしょうか?
家族・親族だけのお葬式 = 家族葬 となる訳ですが…その家族葬で、よく省略されるイベントやセッティングがあります。
それが、下記の内容になります。
- 弔辞
- 弔電の奉読
- 来賓席の用意
- 出棺前の挨拶
- 焼香の順番決め
- 受付役・会計役など
昔の葬儀では、ご近所との繋がりや、当家の跡継ぎ(一族のお披露目)などの要素もありましたので、弔問客の接待には…色々と面倒な事が多くありました。
しかし現在では、高齢でお亡くなりになる方々が増え、核家族化も重なり、少人数で執り行う 家族葬 が一般的となってきました。
その為、弔問客といっても親戚がほとんど…となり、弔辞や弔電の奉読が省略されたり、席順・焼香順なども、きっちりと決めない事も増えています。
また、緊張してしまう弔問客へのあいさつも、人数によっては省略する事もあります。
なので、「気を遣わないお葬式」とか「負担の少ないお葬式」などと宣伝されています。
必ず省略する訳ではありません。ご遺族様の希望により執り行います。
業者が販売している家族葬とは?
現在では、どの葬儀社でも家族葬を販売しています。
業者から見た家族葬とは、取り扱っている商品の中の1つ…という事になります。ですので「家族葬だけしかサービスしませんよ!」という葬儀業者は、ほとんどありません。
また、各葬儀業者事に、家族葬の条件を設定していますので、だれでも家族葬が執り行えるわけではありません。
以上の内容を省略すると、変ではないですか?…という質問
家族葬においては、まったく変ではありません。
限られたご家族・ご親戚が中心となりますので、弔辞や弔電の奉読が無くても問題ありません。
家族葬のメインは「故人様との最後の時間」ですので、お身内の皆様が集まる場所を用意し食事などで…おもてなしをされれば十分です。
今は、ご家族だけの4名や、親戚も合わせて20名前後の家族葬が普通で、祭壇の大きさとか…式場の大きさを気にされる方は減少しています。
親族が多い場合には?
家族葬でも、ご親族だけで30名を超える場合もありますが、それでも特に問題はありません。
ただ…人数が多くなると、遠いご親戚様もいらっしゃると思いますので、席順(焼香の順番)決め や 出棺前の挨拶 は省略しない傾向です。
また、料理や香典返し…受付や会計係りの手配など…ホストとしてゲストを招く意識が必要となるでしょう。
家族葬の派生型
これまで家族葬は「葬儀中のイベントなどを省略してますよ!」という事を紹介しました。
しかし…省略できることは、まだあります。それが、通夜 と お坊さん(宗教者)になります。
葬儀業界では・・・
- 通夜を省略した葬儀を「1日葬」
- お坊さんを省略した葬儀を「無宗教葬」
と呼んでおり、家族葬 ともミックスする事ができます。
例えば…
- 家族葬 の 1日バージョン
- 家族葬 の 無宗教バージョン
- 家族葬 の 1日&無宗教バージョン
このように、選択する事ができます。(※ このような葬儀プランを選択できない業者もあります)
このように、変則的な家族葬も、多くのご遺族様が執り行っています。家族葬や〇〇葬といった…決まりきったお葬式ではなく、ご遺族様によってカスタマイズされたお葬式が、今後…主流となるでしょう。
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最後に家族葬について、まとめると…
家族葬は、家族だけで執り行う葬儀ではなく、ご家族を含め…ご親戚を中心に招く葬儀スタイルです。
その内容は、何か特別な事を行うのではなく、昭和の頃のような旧来の葬儀から、ご遺族様にとって不要なイベントを省略する葬儀となります。
また、ご遺族様が家族葬を望んでも、葬儀業者が販売する家族葬の条件と合致しない事もありますので注意が必要です。