「1日葬は、1日だけだから費用も半分になるのではないか?」
と思ってしまいますが、実は半額にならない理由があります。もしかすると…1日葬だから「半分になるんでしょ!?」と思ってしまいがちですが・・・
葬儀費用を構成する商品やサービスは、いくつかありますが…半額になる項目 と 半額にはならない項目があります。
また、2割引き程度になってしまう内容もありますので、1つづつ紹介します。
実際の軽減率は・・・
例えば…よくある家族葬と比べて、1日葬は、どれくらい軽減できるかというと…下記のようになります。
1. 葬儀業者への支払い | 0 ~ 20%OFF |
2. 式場利用料 | 0 or 50%OFF |
3. お料理 | 50%OFF |
4. お布施 | 20% ~ 50%OFF(※ 菩提寺を除く) |
このように、お葬式の項目により 50%OFF になる商品もあれば、まったく割引にならない商品もあります。
それでは1つづつ確認していきます。
❶ 葬儀業者への支払い
葬儀業者は、ご遺族様に合わせ様々な葬儀プランを販売しています。
例えば…家族葬の表示価格が[46万円]だとすると、1日葬の表示価格は[38万~40万円]ほどとなります。
また、「1日葬自体を扱わない業者」や「1日葬で執り行っても割引はしない業者」もあります。
その理由とは?
葬儀業者が扱う商品とは、故人様のお迎えから式場の飾り付け・打合わせなど…トータルのサービスになります。
ですので、葬儀の2日間を1日に短縮しても全体の労働力としては、さほど変わらず、特に少人数の葬儀となると…スタッフ一人分の人件費しか変わりません。
その為、葬儀業者へ支払う料金は家族葬(2日間の葬儀)でも1日葬でも、余り変わらなく設定されています。
❷ 式場利用料について
式場は、葬儀業者がご遺族様に代わり、式場運営者からレンタルして利用しています。
レンタルできる式場は、都市部ほど多く…地域により5ヵ所ほどの式場から選択できる場合もあります。
その中には[2日貸し]または[1日貸し]が選択できる式場が稀にあり、後者の場合では、利用料も 50%OFF になりますので、葬儀費用の軽減につながります。
しかし…まだまだ[2日貸し]を前提に、貸し出しを行っている式場が多いですので、あまり期待しないほうが良いでしょう。
また、自治体が運営している公共の式場であれば、2日間の利用料が低価格(5万~10万円ほど)ですので、こちらも選択肢の1つになります。
❸ お料理について
お料理に関しては[ほぼ50%OFF]になります。
例えば・・・
参列者が、ご遺族・ご親族様を合わせて両日とも20名だとすると、単純に…1日分の料理がなくなりますので、[ほぼ50%OFF]という事になります。
参列者が同数であれば、通夜と葬儀の料理代は…ほぼ同じです
通夜の料理は、鮨や天ぷらなどの大皿タイプとなり、葬儀(告別式)の料理は、個別の懐石膳が一般的となりますが、人数が同じであれば、だいたい…どちらも同じ金額になります。
❹ お布施につきまして
こちらは2つのケースが考えられます。
❶ 菩提寺があるご遺族様の場合

お布施の金額については、お寺さんとのトラブルを避けるために…1日葬でも、通常のお布施の金額を包まれたほうが無難です。菩提寺様によっては、お布施の金額を提示される場合もあるでしょう。
❷ 菩提寺をお持ちでないご遺族様が、仏式葬儀を行う場合
この場合は、葬儀業者から、臨時のお坊さんを紹介されるはずです。
葬儀業者からの紹介では、お布施の金額が葬儀業者によって決まっていますので「通夜で…いくら… 葬儀で…いくら…」という仕組みなっています。また、戒名も別料金となっている事もあります。
■ お布施(料金)の一例
葬儀のみ1日 | 100,000円 |
通夜・葬儀の両日 | 200,000円 |
もし、このような設定の業者であれば・・・1日葬でのお布施は、2日間の葬儀と比べて[50%OFF]という事になります。
戒名を付けると、いくらなのか?
これも、葬儀業者により異なります。もちろん(菩提寺を持っていなければ)戒名を付けず俗名のまま、葬儀を執り行うことも可能です。
戒名の費用は、読経料と別の場合もあれば、信士(信女)クラスが読経料に組み込まれている場合もあります。
重要な事は?
葬儀業者からの紹介では、お布施の費用を葬儀業者が独自に決めている為、その金額は…業者事に異なります。
ですので、お坊さんの紹介も…葬儀業者が扱う商品の1つとして考えなければなりません。お坊さんの紹介は、表向きには…ご遺族様への無料サービスとして感じますが、葬儀業者とお坊さんの間で話は付いています。
よって…業者事に比べると10万や20万の差が付くこともあります。
※ お布施を渡すのは、当日…いらっしゃったお坊さんになります。
例えば…下記のように、お布施も費用が…総額に大きな影響を及ぼしますので、見積もりを取る際は「紹介されたお坊さんへのお布施は、いくらなのか?」まで確認しなければなりません。
A社 | B社 | |
葬儀費用 | 800,000円 | 700,000円 |
お布施 | 100,000円 | 300,000円 |
トータル | 900,000円 | 1,000,000円 |
お坊さんの紹介は、葬儀業者が扱う商品の1つです! 注意して見積もりを取りましょう。
1日葬のメリットがあるケースは?
1日葬は、すべて 50%OFF になる訳ではありませんが、1日葬を選ぶとメリットが大きくあるケースもあります。
それが、下記の3点を含む場合です。
- 菩提寺をお持ちでないご遺族が、仏式葬儀を希望する場合
- [1日貸し]を行っている式場を借りた場合
- 式のあとに、料理を振舞う予定の場合
例えば…上記3つの条件を満たし、参列者が20名の 家族葬 と 1日葬 を比べたとします。
家族葬 | 1日葬 | |
葬儀費用 | 600,000円 | 520,000円 |
式場利用料 | 120,000円 | 60,000円 |
通夜の料理 | 80,000円 | なし |
葬儀の料理 | 80,000円 | 80,000円 |
お布施の費用 | 200,000円 | 100,000円 |
このように…業者によっては…トータルで30万円ほど差が発生します。
ですので、1日葬を希望される場合は、事前の業者選びが重要となります。依頼した後に「1日葬は扱っていない…」という事になりかねませんので、事前の確認は必項です。
1日葬の恩恵がないケースは?
逆に…下記のようなケースでは1日葬にした場合でも、家族葬と比べ…あまり費用が変わりません。
- 参列者が家族だけなので、料理は不要
- 式場は自宅
- 菩提寺のお坊さん または 無宗教スタイル
この場合では、参列者が家族だけ…という事もあり、ふるまう料理は元々ありませんので、2日でも1日でも変わりません。
式場もご自宅ですので…利用料自体がありません。
お坊さんに関しては…菩提寺ですので、お布施の金額は菩提寺のご住職やご遺族様に委ねられます。また、宗教者を招かない無宗教スタイルでは、お布施やお礼はありません。
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そして、残るのが・・・葬儀業者に支払う葬儀プランの料金になります。
しかし、家族葬と比べても…その差は、あっても数万円となります。ですので、このようなケースでは、2日間の家族葬と比べても…さほど違いがなく余りメリットになりません。
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1日葬は、葬儀業者によって差がでやすいお葬式です。
1日葬は、葬儀業者により料金の設定が異なり…1日葬事態を扱っていない業者や「1日葬は出来るけど料金は変わりませんよ!」という業者もあります。
ですので、1日葬を希望する場合には、必ず事前に葬儀業者を決めておく必要があります。また、お坊さんの手配も業者に依頼する場合は、お布施の金額まで確かめる必要があります。