1日葬と呼ばれる葬儀スタイルは[通夜]を省略したお葬式です。
1日葬の全体的な流れ
全体の流れでみると…通夜を省略するだけで、ご永眠から火葬・収骨までの内容は変わりません。
メリットは、葬儀費用が軽減される事
1日葬のメリットはズバリ…費用が軽減される事です。
しかし…1日にしたからといって葬儀代が半額になる…という事ではありません。トータルで、だいたい…10%~30%ほど安くなります。
ご遺族様の状況や環境により異なりますが、費用面に関しては確実に軽減されますので、1日葬を選択されるご遺族様は年々増加傾向です。
1日葬のデメリットは、通夜が省略される事
通夜を行う理由は、故人とのお別れや偲ぶ時間を、弔問客へ提供する事です。
通常…通夜の時間帯は[18:00]または[19:00]です。この時間帯であれば、仕事が終わった後に弔問しやすい環境となります。
しかし・・・通夜を省略すると、翌日の葬儀(告別式)にしか参列する機会がありません。葬儀の時間帯は昼前後ですので、平日では…なかなか抜けられない皆様もいらっしゃり、参列やお別れを制限する事になってしまいます。
ですので、会葬者を「もてなしたい…」と考えるご遺族様においては、1日葬はあまり適しません。
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では、どのようなご遺族様が1日葬を選択されているかというと…下記の2パターンが挙げられます。
❶ 家族葬では予算オーバー…という、ご遺族様
葬儀スタイルによる、プライスゾーンは下記のようになっています。
1日葬は、内容にもよりますが…だいたい家族葬の10%~30%OFFの価格帯となります。
1日葬の実際は…家族葬の1日バージョンです
一番、葬儀費用を抑えられる葬儀スタイルが[直葬]なのですが、「それだと親戚に申し訳ない…」と感じるご遺族様はいらっしゃいます。
そこで、家族葬を検討されるのですが、今度は予算オーバーになってしまう…。そして、家族葬より費用を軽減できる1日葬を利用される・・・というケースが多くあります。
参列者が50名を超える場合は、2日間の葬儀がおすすめです
例えば…50名以上の会葬者が見込まれる場合は、1日葬ではなく2日間の葬儀を取り行ったほうが良いでしょう。
それは、1日だけでは…参列者の対応などで喪主様には忙しすぎるスケジュールになるからです。通常、参列者の皆様は[通夜のみ]参列される事が多いですので、翌日の葬儀は…ゆっくりと過ごすことができます。
また、参列いただく方々にとっても、通夜の方がスケジュール的に余裕がありますので、参列者が多い場合…多くなりそうな場合には、2日間の葬儀をおすすめします。
❷ 2日間、執り行う必要性を感じない
最近は、このような…お考えで1日葬を選択されるご遺族様もいらっしゃいます。
例えば…家族だけのお葬式では・・・葬儀前日まで、自宅でご安置されれば…独別な儀式を行わなくても通夜の役目は果たせます。
ですので、「形式的な事は…翌日の葬儀だけで十分だよね…」とお考えになられます。
お葬式に対する考え方や価値観は、地域性もありますが…ご遺族様の自由ですので、このような理由で1日葬を選択されるのも良いでしょう。
1日葬の流れ
基本的に、1日目の通夜が省略されるだけですので、全体的な流れは一般的なお葬式と変わりません。
通夜は省略
1日葬の為、通夜は執り行いません。
① 葬儀(告別式)
当日、お集まりいただき葬儀(告別式)を行います。
② 火葬
火葬場にて火葬を執り行います。
③ 控室で休憩
火葬が終了するまで、控え室でお待ちいただきます。
④ ご収骨
火葬場内、収骨室でご収骨となります。
⑤ 精進落とし
式場の控え室にて精進落おとしとなります。
⑥ 終了・ご帰骨
頃合いをみて葬儀の終了となります。
当日のスケジュール例
■ 例えば… 12:00に開式の場合では…
10:30頃 | ご遺族・ご親族 集合 |
12:00 | 葬儀(告別式)開式 |
13:00 | 閉式・ご出棺 |
13:30~14:30 | 火葬 |
15:00~ | 精進落とし |
16:30頃 | 終了 |
式場や火葬場の利用ルールにもよりますが、集合から解散まで6時間ほどの葬儀になります。
火葬場の営業時間の都合により、最終火葬時刻は15:00となりますので、それまでに…式典を執り行い、火葬炉に収める必要があります。ですので、14時以降の1日葬は執り行えません。
また、参列者の人数によっては…精進落としを省略する事もできます。
1日葬について、よくある質問
ここで、1日葬についての質問をご紹介します。
Q. どのような宗教のお葬式でも1日になりますか?
菩提寺など…特定の宗教者と、お付き合いがある場合には確認が必要になりますが、「1日葬は絶対にダメ…」という宗教者は、ほとんどいらっしゃいませんので、事情をお話すれば1日葬が可能です。
Q. 1日葬って、一般的なんですか?
以前から1日葬はありましたが、ここ数年でご利用件数が上昇しています。
市営斎場などは、3つほど式場が完備されていますが「どの式場のご遺族様も通夜を行っていなかった…」という事も珍しくありません。
地域性もありますが、都市部では…家族葬も直葬も1日葬も、今では一般的なお葬式といえるでしょう。
Q. 会食(精進落とし)も含まれているのですか?
火葬後の会食(精進落とし)のご注文は選択制となっています。例えば・・・ご家族4名だけの場合では、無理にお料理の注文をする必要はありません。
しかし、1日葬でも会食(精進落とし)をされる時間はありますので、ご安心ください。
Q. 1日葬は、日数の他に…何が1日となりますか?
1日葬は通夜がありませんので、下記の内容が1日となり…利用料も半分になる事もあります。
- 通夜の料理
- 通夜の分のお布施 ※1
- 式場利用料 ※2
※1 菩提寺以外(お坊さんの紹介)の場合となります。
※2 式場により異なります。
確実なのは、通夜の料理代が無くなる…という事だけです。
1日葬を希望される場合は、必ず事前に葬儀業者を決め1日葬の内容と費用を確認する必要があります。