同じ東京都でも、多摩地区・東部と23区は、多摩地区・西部と比べると、同じ葬儀内容でも葬儀費用が高くなる傾向があります。
23区周辺は、公共の火葬場が少なく、民間企業によって運営されている火葬場が多いイレギュラーなエリアだからです。
公共でも民間でも…どちらも同じ火葬場ですが、火葬料金は後者が…6万円ほど高くなります。今回は…その民間企業が運営している火葬場について紹介します。
利用料金の違い
葬儀に限ったことだけではありませんが、公共の施設より民間施設のほうが利用料金は高くなります。
火葬場も同様で、公共火葬場の利用料が、無料~10,000円に対し、民間企業の火葬場は59,000円となります。
料金マップ
上記のように、多摩地区西部は、自治体が運営する火葬場が多く利用料は…ほぼ無料です。一方、多摩地区東部や23区は、民間運営の火葬場が多く利用料は高額です。
安い火葬場を選ぶことは基本的にできません。
例えば…A市の隣に、無料で利用できるB市の公共火葬場があっても、A市の住民は…無料でB市の公共火葬場を使う事はできません。
しかし…5万~10万円ほど(火葬場により異なる)の利用料を支払えば使用する事が可能です。
このような、割高料金で他の自治体の火葬場を使う形態を、組織外料金 や 組合外料金 などと呼んでいます。
公共火葬場は、その自治体に住んでいる住民が優先されます。
公共の火葬場は、各自治体により運営されいますので、その自治体に現住所ある住民に限り、無料や低額で利用できます。
しかし…すべての自治体が火葬場を運営している訳ではありません。
もしかすると…皆様がお住いの市区町村は、火葬場を運営していないかもしれません。
その場合は…隣の自治体の火葬場を組織外料金で利用する または 民間の火葬場を利用する ことになります。
※ 民間火葬場の利用料は、場所に関係なく…どなたでも定額です。
公共の火葬場を提供していない自治体
▼ 多摩地区は下記の市になります。
東大和市 | 東村山市 | 東久留米市 |
西東京市 | 清瀬市 | 国分寺市 |
小平市 | 小金井市 | 武蔵野市 |
調布市 | 三鷹市 | 狛江市 |
▼ 23地区の場合は?
23区では、18区で公共の火葬場を提供していません。
※ 残りの5区:世田谷区・目黒区・大田区・品川区・港区は、臨海斎場という公共火葬場を5区共同で運営しています。
23区の火葬場
23区と多摩東部では、8ヶ所の民間火葬場と2ヶ所の公共火葬場があります。
所在地と利用料金
多摩エリア | 所在地 | 料金 | 堀ノ内斎場 | 杉並区梅里1-2-27 | 59,000円 |
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代々幡斎場 | 渋谷区西原2-42-1 | 59,000円 |
落合斎場 | 新宿区上落合3-34-12 | 59,000円 |
桐ヶ谷斎場 | 品川区西五反田5-32-20 | 59,000円 |
町屋斎場 | 荒川区町屋1-23-4 | 59,000円 |
四ツ木斎場 | 葛飾区白鳥2-9-1 | 59,000円 |
戸田葬祭場 | 板橋区舟渡4-15-1 | 59,000円 |
公共の火葬場 | 所在地 | 料金 | 臨海斎場 | 大田区東海1-3-1 | 34,500円 |
瑞江葬儀書 | 江戸川区春江町3-26−1 | 60,200円 |
23区周辺の皆様は、
この10カ所の火葬場から選択します
23区周辺にお住いの皆様は、基本的に…この10カ所の火葬場の中から選択する事になります。
選ぶ基準は、ほとんどの皆様が、自宅や式場から一番近い火葬場を選択されます。
臨海斎場について
臨海斎場は公共の火葬場ですので、世田谷区・大田区・目黒区・品川区・港区の5区にお住いの方のみ34,500円で利用できます。
瑞江葬儀所について
瑞江葬儀所は、東京都が運営する火葬場です。しかし…火葬料は60,200円となり民間火葬場の料金と変わりませんので、主に江戸川区周辺の皆様が利用されます。
エリアの参考
参考ですが、エリア事に近い火葬場を一部紹介します。お住まいの場所によっては、2つ以上の火葬場が選択肢となります。
■ 国分寺市・小平市・小金井市 周辺の方:
日華・多磨葬祭場
■ 調布市・武蔵野市・三鷹市 周辺の方:
堀ノ内斎場
■ 世田谷区・大田区・目黒区・品川区 周辺の方:
臨海斎場 or 桐ヶ谷斎場 or 代々幡斎場
■ 新宿区・中野区・渋谷区 周辺の方:
落合斎場 or 代々幡斎場
■ 杉並区・中野区 周辺の方:
堀ノ内斎場 or 落合斎場
■ 葛飾区・江戸川区・江東区 周辺の方:
四ツ木斎場 or 瑞江葬儀所
■ 足立区・荒川区・台東区 周辺の方:
町屋斎場
■ 練馬区・板橋区・北区 周辺の方:
戸田葬祭場
民間火葬場の特徴
民間企業ならではの特徴もありますので紹介します。
火葬場だけでなく式場もセットになった複合斎場です。
民間企業の火葬場は、火葬場としての機能だけではなく、複数の式場もセットになっていますので、その斎場で一貫した葬儀を執り行うことができます。
骨容器を火葬場から購入
一般的に骨容器(骨壺)は葬儀業者から購入しますが、民間の火葬場では…火葬場が骨容器を販売しており、ご遺族様は葬儀業者ではなく火葬場から骨容器を購入しなければなりません。
葬儀業者からすると、骨容器を売った利益が無くなりますが、ご遺族様からすると、骨容器の代金が大きく変わる事はありません。
民間企業が販売している骨容器は、一般的な白色で13,000円ほど必要となります。
ですので、トータルで火葬場への支払いは…火葬料の59,000円と合わせ、合計で約72,000円となります。
給付金を充てれば…実質2,000円ほど
23区にお住いの皆様は、自治体から葬祭補助費として7万円が支給されますので、火葬場の支払いに充てたと考えれば…実質2,000円ほどなります。
※ 給付金の支給は、葬儀後となります。
休憩室の利用について
どの火葬場にも、火葬中の休憩室が用意されていますが…自治体が運営する火葬場は、1室…無料~3,000円以下で利用できるのに対し、民間火葬場は6,000円オーバーとなります。
こちらも民間企業らしく、無料ではなく有料サービスとして提供しています。
火葬中の食事や、飲食物の持ち込みはできません。
自治体が運営する火葬場では、持ち込みの制限がありませんが、民間火葬場は火葬中の食事や飲食物の持ち込みはできません。
火葬時間は40分ほどで終了
火葬時間が短いのも民間火葬場の特徴です。
火葬から収骨までの時間を比べると、自治体の火葬場と比べて約半分の時間となります。
他の火葬場と比べると、かなりスピーディーで地方在住のご高齢の皆様は、ちょっと…驚かれるかもしれません。
安置施設を完備
上記で民間火葬場は式場もセットの複合斎場と紹介しましたが、安置施設も完備されています。
ですので、利用される斎場にご安置し…そのまま 葬儀 → 火葬 → 精進落とし が可能となります。
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以上が、都内を中心とした民間企業が運営する火葬場の紹介でした。
全国に比べ…23区の火葬料だけ高いのは、先に整備したのが企業だったので仕方ありません。
また、死者への忌避感や人口減少により火葬場の新設は考えにくく、火葬料が下がる目途は立っていません。
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ここまで「都内には公共の火葬場が少ない…」という内容で紹介しましたが、「区民式場といわれる…公共の式場」であれば、23区に多数あります。
お葬式の流れは…区民式場で葬儀をして民間火葬場で火葬をする事になります。詳しくは、下記のページで紹介しますので合わせてご覧ください。
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