無宗教葬とは・・・
お別れ会・偲ぶ会・告別式・自由葬などと呼ばれている宗教者が居ないお葬式の事です。
ですので…故人様とご遺族・ご親族、そして参列者の為のお葬式となります。
無宗教葬はフリースタイル
無宗教葬の内容は、ご遺族様によって異なりルールや決まりもありません。
このように…火葬と収骨だけは、お葬式の共通事項ですが、それ以外の内容に関しては、特別な制限はありません。
下記の内容も自由です。
❶ 葬儀の日数
・ 半日
・ 1日
・ 2日
1日でも2日でも可能です。
❷ 会葬者の人数
・ 4名
・ 30名
・ 100名
制限はありません。
❸ お葬式の場所
・ 自宅
・ 葬儀式場
・ 集会所
場所は問いません。
無宗教葬と…業界では言っていますが・・・
何か特別な事をしなければいけない…という訳ではなく、風習や宗教または参列者に縛られない…お葬式です。
無宗教葬というネーミングについて
現在、葬儀業界では様々な葬儀スタイルがある為、その区別として宗教者を招かない葬儀を【無宗教葬】と呼んでいます。
無宗教葬を選択される、ご遺族様とは?
無宗教葬を選択されるご遺族様の特徴として・・・下記のような、お考えをお持ちです。
❶ 宗教者や戒名に必要性を感じない…
お葬式において「宗教者が居る… or 居ない… 」は、ご遺族様の気持ちや信心の問題ですので、「成仏できない…」とか「呪われる…」といった事は全く関係ありません。
輪廻転生や天国・地獄という宗教観、昔からの風習に倣うか…は、人それぞれですので、正解も不正解もありません。
寺社仏閣巡りが趣味な皆様や、仏教好きな皆様でも、葬儀は【無宗教】という場合も、よくあります。また、「お布施が必要ない!」というのも大きなポイントとして認知されています。
❷ 故人との、お別れの場として参列して欲しい
仏教式の葬儀でも、故人様とのお別れはできますが、儀式や読経などがあり、自由に式を進行する事ができません。
しかし、無宗教葬では、式次第(進行スケジュール)が自由に組めますので、故人様とのお別れの時間を多く取る事もできますし、弔辞やあいさつの時間を長めに取る事もできます。
どんな内容にしているの?
通夜と葬儀の時間は、式場の利用時間の関係で両者とも1時間が定番です。その1時間の中で「何をするか?」・・・考えなくてはなりません。
例えば・・・仏式葬儀の場合では、お坊さんの儀式と読経で…間が埋まります。ですので、参列者も座って自分の焼香を待っているだけ済みますし、それが普通だと思ってくれます。
しかし、お坊さんが居ない無宗教葬の場合では、何かをしていないと…間が持たず…ただ座っている状態が続き微妙な雰囲気が流れてしまいます。
そこで、一般的には何をしているかというと・・・
❶ セレモニー(イベント)を用意します。
■ 無宗教葬の式場例
■ 無宗教葬での献花
流れやイメージ的には、学校の卒業式にようになります。1つづつ式中のプログラムが決められており、打ち合わせの内容通り式典を進行します。
卒業式の例 | 無宗教葬の例 |
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一同 起立・礼 | 一同 起立・黙祷 |
開式の言葉 | ナレーション |
国歌斉唱 | 献演(BGMを流す) |
卒業証書 授与 | 参列者の献花 |
式辞 | 故人の紹介 |
祝辞 | 弔辞 |
このような内容で進行し、1時間の間を埋めてきます。
セレモニースタイルの注意点
このようなセレモニースタイルの場合では、事前の準備が必要です。
- 会葬者の規模
- 式中の内容作成
- スタッフとの打合わせ
など、弔問客を意識した式典にしなければなりません。
その為、お葬式の内容が決まっている仏式葬儀と比べると時間や労力がかかりますので、事前に「無宗教葬で送りたい…」と計画されている皆様におすすめいたします。
❷ あえて、セレモニー的な事を行わない
ご家族だけの場合や10名様ほどの場合では、特別なセレモニーを行わず、式場内に故人様がよく聴かれていたBGMを流すだけでも結構です。
ご親族が集まる場所として・・・
奇麗な花祭壇やご遺品を飾り、お好みのBGMを流し…ご親族が集まる場所として無宗教葬を利用されるご遺族様もいらっしゃいます。
火葬時刻までは、式場や控室でゆっくりお過ごしいただき、最後に皆様でお別れ(お花入れ)をしていただきます。
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2つの事例の紹介でしたが、会葬者が多い場合にはセレモニースタイルが選ばれており、少人数の場合は…故人様との時間をゆっくり過ごすお葬式として選ばれる傾向があります。
無宗教葬とは自由葬
無宗教葬 = 自由葬 ですので、場所や日程、内容もご遺族様によって異なります。
例えば・・・お焼香や宗旨ごとの読経を読まれても、まったく問題ありません。
自由葬でもあるので、特定の宗教の儀式を取り入れても大丈夫です。
無宗教葬は、制限を受けにくい葬儀スタイルではありますが、逆に…何をしてよいか迷ってしまう…といった側面もありますので、特に事前の確認が必要なお葬式となるでしょう。
他の葬儀スタイルとの違い
今では家族葬や一般葬、直葬など様々な葬儀スタイルがありますが、無宗教葬とその他の葬儀では何が違うのか? 簡単に紹介します。
家族葬 と 無宗教葬 の違い?
葬儀業者から見た大きな違いは「参列者の人数」と「宗教者の有無」になります。
例えば・・・下記の2つの内容は同じ事です。
- お坊さんを招かない、家族葬を希望
- 家族と親戚だけで、無宗教葬を希望
どちらも、20名程度の参列者で、お坊さんが居ないお葬式になります。
しかし大切なのは、家族葬とか無宗教葬といったネーミングの葬儀プランを選ぶのではなく「こんなお葬式をしたい…」や「〇〇〇は不要です!」といった要望を伝える事になります。
費用的には変わるの?
総額としては、お布施の負担が無いぶん…無宗教葬のほうが安くなりますが、葬儀業者に支払う葬儀代は、無宗教葬のほうが家族葬より高くなる傾向があります。
その理由として、(葬儀の内容にもよりますが…)仏式葬儀と比べ、式典の構成などで時間と労力がかかります。その手間賃として葬儀費用に反映される事もあります。
外見や祭壇の違い
家族葬でも無宗教葬でも、木製の祭壇より生花の祭壇が圧倒的に人気です。
さらに、菊などの和花より洋花がメインになりつつあります。無宗教葬では、ほぼ…洋花の祭壇といって良いでしょう。
■ 家族葬の式場事例
■ 無宗教葬の式場事例
見た目だけで比べますと、無宗教葬での生花祭壇が一段と華やかになります。
しかし、デザインやボリュームの関係で高額にもなりやすいので、予算に合わせて祭壇を選ぶことも重要です。
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直葬との違いは何?
まず、葬儀業者が販売する 直葬 では、基本的に下記の2点が特徴です。
- 式場を借りない
- 祭壇を飾らない
しかし、無宗教葬 というお葬式は、式場を借りて祭壇を飾るプランです。
ですので、葬儀費用も直葬と比べ3倍程度の差があります。費用でカテゴリー分けをしたとすると…無宗教葬は家族葬や一般葬といったグループと同じになります。
ただ、直葬は…基本的に宗教者を招きませんので、無宗教葬とも言えます。
繰り返しとなりますが…お葬式の内容を決める際は、葬儀業者が販売している葬儀プランから選ばずに、あなた様の希望を伝えてしまう事が最善の道となります。
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いかがだったでしょうか?
無宗教葬は、式場や時間を自由に使えるお葬式です。
宗教者へのお礼(お布施)がありませんので、葬儀費用を節約する為に、選んでいただいても結構ですし、「自分達なりの送り方を考えている…」という場合でも良いでしょう。
現在は、お別れの仕方を選べる時代です。無宗教葬でも直葬でも構いません。あなた様にとって、ご都合の良いお葬式を選択ください。