お葬式の新スタンダードとなった「家族葬」ですが、葬儀業者は「家族葬」以外の葬儀プラン(商品)も販売しています。
上の図のように多くの葬儀業者は、お葬式の内容で商品・サービスを変える複数の葬儀プランを販売しています。
※ 葬儀業者により、商品名や商品数は異なります。
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このように「複数の葬儀プランから…どれかを購入する…」といった選択が、現在ではスタンダードな販売方法となっています。
家族葬 と 家族葬プラン の違い
家族葬 は、葬儀業者が企画した葬儀スタイルになります。
その企画を「家族葬プラン」など…とネーミングし商品化しました。その際に…宣伝として使ったタイトルコピーが「家族葬」になります。
ですので、ご遺族様からすると 家族葬 という言葉だけが頭に浮かび、葬儀業者が販売する 家族葬プラン の内容については…意外と知らないほうが多いのではないでしょうか?
知らないとても…普通でしたら「 家族葬 を行いたい遺族様に、家族葬プラン で業者が対応する…」という事で何の問題もありません。
しかし…「 家族葬 を行いたいのに… 家族葬プラン を買えない…」といった事態も存在します。
家族葬プランを購入できる条件
葬儀プランは、それぞれの葬儀業者によって企画され、その内容も異なります。
ですので、家族葬プラン を購入したくても…業者が設定した条件と異なれば、別の葬儀プランを購入しなければなりません。
例えば…どんな場合かというと…参列者の人数がポイントになります。
よくある… 家族葬 の定義は「20名~30名の会葬者を対象とした葬儀」…となり、多くの葬儀業者でも「30名ほどの会葬者に対応する葬儀を 家族葬プラン」としています。
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では…「50名ほどの予定です…」業者へと申告すると、どうなるでしょうか…?
その場合は、家族葬プラン を選べません
50名の予定では、一般葬プランを選択する事になります
多く場合では、30名以上に対応した「一般葬プラン」など…と呼ばれる葬儀プランを選択する事になり、その分…費用も高くなります。
家族葬プラン と 一般葬プラン の違い
この2つの葬儀プランは、非常に似ており… 家族葬プラン が設定されている場合は、必ずといってよいほど… 一般葬プラン も設定されています。
家族葬プラン | 一般葬プラン | |
対応人数 | ~30名ほど | 30名~100名ほど |
内容 | 家族と親族を中心に招いた葬儀 | 家族・親族に加え会社関係や近所など幅広く招く葬儀 |
費用例 | 300,000円 | 420,000円 |
※ 費用につきましては業者事に異なりますが、だいたい… 家族葬プラン の1.4倍ほどが一般葬プランの価格帯となります。
価格帯の違い
実際のところ…家族葬 でも 一般葬 でも葬儀の内容や進行は変わりません。
しかし、家族葬プラン より 一般葬プラン のほうが割り増しです。
会葬者の為のサービス・商品が組み込まれている
一般葬プランが割高なのは、多くの会葬者に対応する為のサービスや商品が始めから組み込まれているからです。
葬儀業者によっても異なりますが・・・
- 式場看板や案内看板
- 記帳台・テーブル
- 【家族葬プラン】より、大きく見栄えの良い祭壇
- 誘導・案内スタッフ
など…多くの弔問客に対応するには、目印となる看板関係や、筆記用具、テーブル、知識のある案内役も不可欠です。
その為、家族葬プラン より 一般葬プラン の料金が高く設定されています。
家族葬プラン が誕生した理由
昔のお葬式といえば…現在の 一般葬 にあたる葬儀スタイルが定番でした。
その派生型として 家族葬 が誕生したのは、ここ最近の話です。ですので、葬儀業者からすると…もともとの基準が 一般葬 という事になります。
しかし…核家族化やバブル崩壊の影響、価値観の違いなどで、昔のような葬儀の需要がなくなってきました。
そこで、企画された葬儀プランが 家族葬プラン となり、下記の特徴が出来上がりました。
一般葬プランを基準とすると…
家族葬プランとは、会葬者の人数を20~30名にほどに制限した葬儀プラン
家族葬プランとは、弔問客の為の商品・サービスを削減しコストダウンした葬儀プラン
以上の2点が、一般葬プラン との違いになります。
ご遺族のイメージでは、家族葬のほうが「暖かく…ゆっくりとお別れができる…」といった事を思い浮かぶかもしれませんが、業者からすると…利益の高い 一般葬プラン を売りたい訳です。
実際・・・家族葬でも一般葬でも…暖かく…ゆっくりとお別れが出来ます。その部分は、葬儀業者のさじ加減(良心)で決まるからです。
家族葬プラン を購入するポイント
ご遺族様からすると、会葬者数は特に意識せず、あたたかいお葬式を執り行いと思われるはずです。
そして、家族葬プラン と 一般葬プラン を比べれれば、費用の安い 家族葬プラン を選択されるでしょう。
しかし…業者からすると、おおよその会葬者数を確認し、葬儀プランを販売します。
ですので、家族葬 を希望されても…参列者が30名を超える場合は、家族葬プラン は選択できず…一般葬プラン を購入する必要があります。
参列者の人数は、ご遺族様の申告制です。
参列者の人数がプランの分かれ目ですが、厳密にカウントしている訳ではありません。
打ち合わせの段階で、ある程度の人数を葬儀業者に知らせる事になりますが、その段階で葬儀プランが決定されます。
葬儀業者によって、会葬者のリミットは異なりますので、不明な場合は事前に確認が必要です。
葬儀中にリミットを超えてしまったら…?
「思ったより会葬者数が増えてしまった…」という事はよくありますので、予定より増えたからといって…追加料金が掛かることは基本的にありません。
多少…増えても十分対応できますが…ズレが少ないほど、ご遺族様にとっても弔問いただく皆様にとっても良いお葬式となります。
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よくある質問
家族葬 や 家族葬プラン について、よくあるご質問を紹介します。
家族・親族で約40名になりますが、家族葬プラン で対応できますか?
家族葬プランの上限を20名~30名前後に設定している事が多く、おそらく家族葬プランではなく一般葬プランになると思います。
また、家族葬で執り行う予定だとしても、会社関係やご近所の方が弔問にいらっしゃったり…と、なんだかんだでトータル50~100名ほどになってしまうケースがよくあります。
ですので、葬儀業者も…その辺りを考慮し家族葬プランではなく…【一般葬プラン】など50名以上に対応した葬儀プランを提案します。
予定では…15名のはずが、終わってみれば50名ほど…参列された場合の料金は変わりますか?
基本的に家族葬プランの料金から変わる事はないでしょう。
しかし…ご遺族様の意向や考えにより、料理や返礼品を用意していないケースもありますので、式前になってバタバタする事もあります。
どうしても…予想と違う結果になる事もありますので、なるべく葬儀担当者と打ち合わせを行い、費用面を含め…もしもの場合も…検討されたほうが、後の手間もかからずに済むでしょう。
家族葬プランならではのサービスはありますか?
一般葬プランに無くて、家族葬プランに有るサービス・商品は…ありません。
もともと【一般葬 = お葬式】でしたので、そこから…多くの会葬者向けのサービスや商品を差し引いたのが【家族葬】になります。
葬儀プランは、会葬者の人数以外でも区別している場合もあるの?
あります。
昔からよくあるパターンでは、祭壇のグレード(大きさ・華やかさ)で【葬儀プラン】をラインナップするケースです。
会葬者の人数は関係なく、祭壇が大きくなるほど料金が高くなります。
この場合は、【家族葬プラン】や【一般葬プラン】のようなネーミングではなく、【松・竹・梅】的なネーミングです。
業者によっては、家族葬の【松プラン】 や 家族葬の【竹プラン】 など、様々な商品を作っています。
家族葬プランの中に、料理や返礼品が含まれているのですか?
料理や香典返しは選択制になりますので、基本的に…葬儀プランに含まれることはありません。
全く用意しない事も可能ですし、指定した人数分を用意する事も可能です。
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いかがだったでしょうか?
皆様が【家族葬】を希望される場合、葬儀業者が提供する【家族葬プラン】の条件(主に参列者の人数)と合致する必要があります。
また、業者事に…家族葬の定義や商品内容が異なりますので、葬儀業者が用意した葬儀プランから選ぶのではなく、あなた様の希望や意向を伝え…最適な葬儀プランを提案してもらう事が1つの手段となります。