死後の世界【日本の仏教編】 六文は不要? 三途の川には…橋がかかっている!?

人は死んだら、どうなるのか? とても気になる!っという皆様や、別に気にならない…という皆様までいらっしゃると思います。

ところで…日本で定番な死後の設定といえば、やはり三途の川やエンマ大王だと思います。

今回は、日本人なら誰でも思い浮かぶ…死後の設定の起源について紹介いたします。

死後の世界は、仏教の創作ストーリー

もし日本に仏教が伝来しなけば、初七日や四十九日などの法要や、三途の川…エンマ大王などの設定もなかったでしょう。

死後の設定やストーリーは、中国で作られたお経(十王経)が元になっています。そこから、日本独自の十王経が創られ現在の死後の設定になっていると言われています。

詳しく死後の設定をみてみると…意外な設定が隠れていますので、その一部を紹介したいと思います。

三途の川には、ちゃんと橋がかかっている

三途の川のイメージというと・・・船で渡り、その運賃が六文だから、一文銭を6枚持たせる風習を思い浮かべるかもしれません。

現在も六文銭を棺に納める風習が残っていますが、火葬炉の都合上…紙に6文銭のイラストがプリントされたモノが使われています。見た目は真田家の家紋のように、1文銭が上下に3つづつ並んでいます。

話は戻りますが、三途の川を渡る為の手段は4つもあります。

  1. 川にかかる橋を渡る
  2. 6文を支払って船で渡る
  3. 川の浅瀬を渡る
  4. 激流を自力で泳いで渡る

こんなにルートがありますが、故人が選択できる権利は残念ながらありません。

それは「死後の行先は、生前での罪の重さで異なる…」という設定になっていますので、故人によって罪のランクが異なります。

お気付きかもしれませんが、この罪の重さによって三途の川を渡る手段が決められてしまいます。

❶と❷は善人専用です。

安全に川を渡ることができます。橋を渡る人と船で渡る人の差は謎ですが…いつの頃からか、6文を払えば誰でも船で渡れる…という設定になりました。

❸は罪の軽い人です。

足は濡れますが、楽に渡ることができます。

❹は、罪の重い人が進路です。

途中で溺れると…この世に戻ってこれるそうです。ある意味ラッキーですね。

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このように大きく分けると、3つの罪の大きさに分けられるので、三途 となったそうです。また、三途(地獄・餓鬼・畜生)に生まれ変わらないように…とも経典に書かれています。

亡くなってから、いつ三途の川を渡るのか?

法要名 読み方 日程
初七日 しょ・なのか 死後7日目
二七日 ふた・なのか 死後14日目
三七日 み・なのか 死後21日目
四七日 よ・なのか 死後27日目
五七日 いつ・なのか 死後35日目
六七日 む・なのか 死後42日目
七七日 なな・なのか 死後49日目

十王経の設定によると、故人の霊は7日ごとに裁判所に辿り着き、各裁判官によって生前の罪を問われます。

例えば「七七日って…意味わからない?」と思いますが、7回目の七日…で…四十九日のことになります。

三途の川にたどり着くのは亡くなってから7日後の設定です。通常、お葬式後に初七日という法要があります。

この初七日は、十王経では計10回ある裁判のうちの1回目で、三途の川のルート選択に影響します。ですので…数ある法要の中でも、そこそこ重視されたイベントになっています。

昔は、お葬式から7日ごとに法要を営んでいましたが、現在では1回目の初七日を葬儀と一緒に執り行う事が多くなり、日本では四十九日を納骨や親族が集まるイベントとしています。

賽の河原(さいのかわら)

三途の川の近くには、賽の河原と呼ばれるエリアがあります。


山梨県/大菩薩嶺の賽の河原

この河原には、親に先立ち亡くなった子供たちが石を積み上げ塔を作っています。完成させれば供養となりますが、その前に鬼が現れ完成間近の塔を壊してしまいます。

しかし、そこに地蔵菩薩が現れ、子供たちを救ってくれる…と伝えられています。

ですので昔からの信仰で、地蔵菩薩はお地蔵さんとして「子供の守り神」になっていたり、水子供養の石仏として用意られています。

お地蔵さんのトレードマーク
また、お地蔵さんトレードマークといえば…首元に巻いてある赤い布です。

これは「わが子を救ってくれるよう…子のにおいが付いた、よだれかけをお地蔵さんに着せた…」と、いわれています。

エンマ大王はラスボスではない

四十九日は、故人の霊が次に「どの六道の世界に生まれ変わるのか?」が決定される日といわれ、四十九日までが中陰(ちゅういん)や忌中(きちゅう)となります。

そして…それを決めるのが、エンマ大王っぽくイメージされますが、エンマ大王は5回目の七日(35日目)に登場する裁判官です。

浄玻璃の鏡(じょうはりのかがみ)という、故人の霊から生前の善行悪行を映し出すアイテムを使い裁判を行っています。なので、嘘はスグにバレて舌を抜かれてしまいます。

ご両親からは「ウソをつくとエンマ様に舌をぬかれるよ」と聞かされたことがあるかもしれません。

ここで、10名の裁判官と日程をまとめます。
日程 裁判官 本地仏
初七日(死後7日目) 秦広王(しんこうおう) 不動明王
二七日(死後14日目) 初江王(しょこうおう) 釈迦如来
三七日(死後21日目) 宋帝王(そうていおう) 文殊菩薩
四七日(死後27日目) 五官王(ごかんおう) 普賢菩薩
五七日(死後35日目) 閻魔王(えんまおう) 地蔵菩薩
六七日(死後42日目) 変成王(へんじょうおう) 弥勒菩薩
七七日(死後49日目) 泰山王(たいざんおう) 薬師如来
百か日(死後100日目) 平等王(びょうどうおう) 観音菩薩
一周忌(死後1年目) 都市王(としおう) 勢至菩薩
三回忌(死後2年目) 五道転輪王(ごどうてんりんおう) 阿弥陀如来

このように、エンマ大王は裁判官の一人に過ぎません。

また、日本ではご永眠から49日目が、来世の世界が決まる日として、盛大に法事が営まれています。

その後の法要の意味については、宗教家の考えにより異なりますが、一般の皆様にとっては輪廻や極楽などは深く考えず、故人を偲ぶ機会として営まれています。

また、日本版の十王経には、いくつかの設定が追加されており、その中でも裁判官(〇〇王)は仏の仮の姿(本地仏【ほんじぶつ】)とされているのが特徴的です。

三十三回忌は…ないの?

十王経は三回忌で終わっています。日本ではお馴染みの七回忌や三十三回忌は含まれていません。

それは、お経が創られた場所が中国で…儒教での服喪の期間が亡くなってから2年間(三回忌まで)という理由だそうです。

十三仏信仰

日本では十王経とは別に十三仏信仰がメジャーになり、法事などでお寺の本堂へ行くと十三仏の掛け軸がよく飾られています。また、檀家さんでも自宅に飾っていらっしゃいます。

下記は、十仏に三十三回忌までの三仏を足した状態となります。

七回忌(死後6年目) 蓮華王(れんげおう) 阿閦如来が姿を変えた裁判官
十三回忌(死後12年目) 祇園王(ぎおんおう) 大日如来が姿を変えた裁判官
三十三回忌(死後32年目) 法界王(ほうかいおう) 虚空蔵菩薩が姿を変えた裁判官

これで…よく見る法要の一覧になります。葬儀後にお坊さんから、回忌法要の一覧表をもらう事もあると思います。

なぜ、わざわざ法要をするのか?

それは、上記の通り十三仏信仰から始まっています。

十三仏信仰は、預修【よしゅ】がメインだった

預修とは、生前に自分の死後の冥福を祈って仏事を営むことです。

現在では…生前葬を執り行うことがあっても、13回分の法事まで生前に行う人はほとんどいないでしょう。

しかし十三仏信仰は、何度も生まれ変わって四苦八苦する輪廻ではなく、直接…極楽浄土へ行って仏様であり続ける…という思想だったため、当時の人々から盛んに信仰されました。

功徳【くどく】を回向【えこう】する という考え方

現世の行いで来世が決まるなら、自業自得でしょう。親族が祈っても罪の重さは変わりません。

しかし、仏教には「追善供養【ついぜんくよう】」という考え方があります。それは、生きている人が誰かに布施をすることで、その行動力(功徳)を故人の霊へ送り(回向)、罪の重さを軽減する…といった内容です。

ですので、追善供養 = 法要 となります。

故人となってしまっては自力で罪を軽減する手段がなく、また残された家族も骨となった故人へは、直接…手助けする事ができません。

ですので、残った生者は故人以外の誰かに布施をして、その功徳を故人へ回向し間接的に救済しよう…極楽浄土へ送ろう…とします。これを…功徳【くどく】を回向【えこう】するといっています。

例えば…通夜の席で会葬者に料理を振舞うことも功徳を回向するになり、お坊さんに読経を依頼するのも…それにあたります。

また、どんなカタチであれ葬儀を行うこと自体が功徳を回向することになります。

※ ちなみに、霊の存在を重視しない浄土真宗では、追善供養の考えは否定的です。

そして、一般的に三十三回忌を持って弔い上げとなり、家族の守り神になる…とされています。

あの世の設定は、つじつまが合わないことだらけ…

しかし、そういえば・・・

  • 「故人は神様じゃなくて仏様になるんじゃなかったの…?」
  • 「六道のどれかに生まれ変わるんじゃなかったの…?」
  • 「四十九日で、来世が決まるんでしょ…?あとの法要は意味ないじゃん!」
  • 「故人の霊は、お墓と仏壇…どっちにいるの?」

などなど、よく考えると…つじつまが合わないことだらけですが・・・これは、先祖崇拝や神仏習合の日本人らしい考え方です。

多くの日本人にとっては…仏様でも神様でも、どっちでも良いのです。また、輪廻しても極楽で往生しても、どっちでも良いのです。

豆知識

話は少しそれますが…やたらと故人の供養について遺族を不安がらせ、布施を取ろうとする僧侶を「似非坊主【えせぼうず】」とか「売僧【まいす】」と呼び、大昔から一定数…堕落した僧侶も存在しています。

法要はお寺の経営を支える収入源ですが、年々…ご遺族の無宗教化の影響もあり、葬儀だけに頼った寺院の経営は苦しくなっているのが現状です。

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いかがだったでしょうか?

死後の世界や霊の存在は、様々な思想や信仰が混ざり合い、何が正解なのか…?よく解りませんし…何(誰)を信じるかによって異なります。

また、知ったところで、それを確認する事はできません。

現在の日本では、六道へ生まれ変わる輪廻思想より、この世から極楽浄土へ行く旅…と考える人の割合が多いと思います。

さらに、ここ数年…葬儀・法要の現場をみていると「死後の世界や極楽浄土とか…別に興味ない…」という人も増えており、それが葬儀や法事の簡略化の要因の1つとして感じられます。


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