今回は、スナップ写真を遺影にする手段を紹介します。
その前に、一般的な遺影の知識について確認されたい方は、下記の記事もご覧ください。
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今回の作業は window10 の ペイント というアプリを使用します。
さっそくですが…遺影の自作において難易度は大きく分けて3段階あり、それが下記になります。
❶ 写真をリサイズする
❷ 背景だけを差し替える
❸ 背景と服装を差し替える
この中で素人でも出来る作業といえば、❶ の写真をリサイズすることだけになってしまいます。
残りの2つは、専用アプリが必要なのと…そのアプリの使い方をある程度マスターしなければなりません。
web製作やデザインなどの経験があれば朝飯前…といったところですが、未経験者にとってはハードルが高すぎてしまいます。
ですので、多くの皆様が自作できる範囲としては「写真のリサイズ」が限界となってしまいます。
そこで今回は…写真のリサイズ…について紹介いたします。
リサイズの流れ
リサイズの流れとしては下記のA~Dの順序となります。
A 写真の用意
B プリントサイズの確認
C 加工アプリ(windowsのペイント)でリサイズ
D プリント
それでは…1つづつ解説していきます。
A 写真の用意
加工前の写真は「プリントされた写真」または「データの写真」のどちらかをお持ちだと思います。
データの写真の場合
データであればカメラやスマホからパソコンのデスクトップなどに保存しておいてください。その際、なるべくピントが合っていて高解像度の写真からお選びください。
解像度とは…?
解像度とはパソコン独自の単位で、ちょっとわかりづらいと思います。なので、簡単に大きさの目安を紹介します。
※ ↑の動画が再生されていない場合はPCでご覧ください。
まず、画像の解像度を確認するには、画像にカーソルを合わせ…そのまま1秒くらい待ちます。
すると、画像の情報が表示され…その中に「大きさ」という項目があり、それが解像度となります。上記の場合では 639 × 426 が解像度です。
別の方法では、対象のデータアイコンを【右クリック】し【プロパティ】を選択します。ポップアップされたウィンドウ内の【詳細】タブをクリックすると解像度の大きさを確認できます。
この写真データの場合では…横:639 縦:426 の解像度です。この解像度は、撮影したカメラの設定により異なります。最大設定では3000 × 5000 以上の解像度を持っています。
ボケないで印刷できる解像度の目安
では、解像度がいくつあればキレイに印刷できるかというと…印刷する用紙のサイズにより異なりますので紹介します。
Lサイズ / 89 × 127 mm | 700 × 1000 |
2Lサイズ / 127 × 178 mm | 1000 × 1400 |
A5サイズ / 148 × 210 mm | 1200 × 1700 |
A4サイズ / 210 × 297 mm | 1700 × 2400 |
A3サイズ / 297 × 420 mm | 2400 × 3300 |
だいたいの目安ですが、解像度の数字が必要標準値より下回るにつれ…プリント後の写真がボケてきます。
例えば…上記の写真をA4とLサイズでプリントしてみると前者のほうがサイズは大きいですが、後者に比べるとモヤっとしています。
モニター上で確認するぶんにはボケていませんが、A4サイズで印刷した場合は解像度が4倍ほど足りないので…確実にボケてしまいます。
しかし…これくらいであれば2m~5mほど離れてみると…あまりボケが感じられません。
実際のご遺影も近くでみるとボヤけているほうが多く、「遠くから見れば問題ないね!」という感じで作られています。

なので…大きなサイズで奇麗に印刷したい場合は、画像データも大きな解像度を持つ必要があります。
どうしても見つからない場合は、免許証に使われている写真でもLサイズならギリギリ利用できます。
データをペイントで読み込む方法
希望の写真が決まったら、ペイントで対象の写真データを取り込みます。
ペイントは window に標準インストールされているアプリですので無料でスグに使えます。
※ ↑の動画が再生されていない場合はPCでご覧ください。
デスクトップに写真データがある場合は、対象の写真アイコンを【右クリック】し、ポップアップされた項目の中から【プログラムから開く】⇒【ペイント】をクリックします。
すると…ペイントが起動し対象の写真データが表示されます。
別の方法では、先にペイントを起動し【ファイル】から【開く】⇒ 対象のデータを選択でも大丈夫です。
これで次の プリントサイズの確認 に進めます。
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プリントされた写真の場合
もし…プリントされた写真しかお持ちでない場合は、先にデータ化しなければなりません。
スキャナー機能付きのプリンターを持っている場合
多くのプリンターにはスキャナー機能が付いていますので、最初にデータ化することから始めます。
※ 事前にプリンターを起動し写真をスキャンできる状態まで進めてください。
手順 ❶ ペイントを起動(win10の場合)
※ ↑の動画が再生されていない場合はPCでご覧ください。
ペイント は windowsアクセサリ の中にあります。見出しは「w」になるので、かなり下までスクロールしないと表示されません。
手順 ❷ スキャナーを起動
※ ↑の動画が再生されていない場合はPCでご覧ください。
ペイントを起動させたまま 【ファイル】から【カメラまたはスキャナーから取り込み】をクリックします。
お使いのプリンター(スキャナー)により表示される情報は若干異なりますが、解像度を 300 に設定してからスキャンしてください。
300に設定すると写真が大きく取り込まれ、新たにプリントする場合…ボケ具合が軽減されます。(※ 元の写真より奇麗になる訳ではなく、よくても同等にしかなりません。)
ペイントに取り込んだ状態です。
写真が大きく映りすぎている場合
スキャン後…取り込んだ写真が大きく映りすぎて全体を確認しづらい場合は、右下のズームエリアで調整できます。50%表示くらいが丁度よいかもしれません。
写真が傾いている場合
写真の向きが違っている場合には、左上のにある 回転 で調整できます。
最終段階
これで、写真をリサイズできる状態となりました。
スキャナーがない場合
もしスキャナーをお持ちでない場合は、スマホなどのカメラで対象の写真を撮影してください。このとき、写真が反射しないよう気を付けてください。
そして撮影後のデータをパソコンに移してください。
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B プリントサイズの確認
「どれくらいのサイズの遺影にするのか?」 予め決めておく必要があります。
A4サイズにするのか…?、2Lサイズにするのか…?、それとも…Lサイズにするのか…? などですね。そして…希望のサイズで印刷できるよう写真データをリサイズする必要があります。
また、どこの部分を残して…どこを削除するかも決めておく必要があります。
用紙のサイズ表
Lサイズ | 89 × 127 ミリ |
2Lサイズ | 127 × 178 ミリ |
A5サイズ | 148 × 210 ミリ |
A4サイズ | 210 × 297 ミリ |
B5サイズ | 182 × 257 ミリ |
B4サイズ | 257 × 364 ミリ |
※ B4サイズより大きい場合はA4プリンターでは印刷できません。
大きいサイズを印刷したい場合
A3などの大きいサイズを印刷したい場合はネットで注文することもできます。様々な業者があり1枚からでも注文できますので、ご利用していただければと思います。
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C 加工アプリでリサイズ
写真をリサイズする為に 引き続き windows10 の ペイント を使用します。
ペイントは標準で備わっている機能なので無料で利用できます。また別途インストールする必要もありません。
ペイントの設定変更
ペイント の初期設定は「ピクセル」というパソコン独自の単位なので、これは「センチメートル」に変更します。
※ ↑の動画が再生されていない場合はPCでご覧ください。
また、上部の【表示】タブをクリックし【ルーラー】の項目にチェックを入れるとメモリが表示され大きさを確認しやすくなります。
リサイズの一例
今回は…写真の青い部分だけを使用し、縦長のLサイズに変更してみます。
❶ リサイズ作業
※ ↑の動画が再生されていない場合はPCでご覧ください。
上部の【ホーム】タブから【選択】をクリックします。
そして、残したい部分だけを「縦長のLサイズをイメージして」囲みます。このとき、若干余裕をもって大きめに選択します。続いて【トリミング】をクリックし大きさを確定させます。
トリミングする前の囲んだ状態から大きさを調整しようとすると、画像が伸びたり縮んでしまうので失敗したら最初からやり直します。
❷ 印刷サイズの調整
次に実際の印刷サイズに合わせ大きさを調整します。
Lサイズの実寸は 89mm × 127mm なので、現在のペイント上の大きさを確認します。
取り込んだ写真によってサイズの数字は異なりますが…今回は 45mm × 60mm ほどしかありません。これを2.1倍にすれば…Lサイズの大きさと同じくらいになります。(※ 倍率の設定は、原本の写真やトリミングにより異なります。)
サイズを変更する
【サイズ変更】をクリックします。すると【サイズ変更と傾斜】というウインドウがポップアップします。
今回は、2.1倍ほどで丁度よいので、【パーセント】で【210】と入力します。【縦横比を維持する】にチェックが入っていると…タテ・ヨコとも同じ数字になります。
これで、だいたい…Lサイズの 89mm × 127mm に近づきました。
ちょっと横幅が大きいので、調整します。
※ ↑の動画が再生されていない場合はPCでご覧ください。
先ほどと同様に選択してからトリミングしてもよいですし、今回の ↑ ように右側を削って調整してもOKです。(※ この場合は、右側か下側からしか調整できません。)
これで、ほぼLサイズの 89mm × 127mm になりました。ぴったりと合わせる必要はありません!
あとは、プリンターで印刷するだけです。
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D プリント
最後にプリントですが、その前にペイントとプリンターの印刷設定を変更する必要があります。
❶ ペイントの設定
※ ↑の動画が再生されていない場合はPCでご覧ください。
手順としては【ファイル】⇒【印刷】⇒【印刷設定】をクリックします。
ページ設定のウィンドウが表示されるので、まず…希望の【用紙】と【印刷の向き】を選択します。(今回の場合は…Lサイズのタテ向きです。)
他の設定内容
- 【余白ミリ】の数字をすべて「0」にします。
- 【中央揃え】は、垂直方向と水平方向ともチェックを入れます。
- 【拡大縮小】は、【合わせる】1×1にします。
これでペイントのプリント設定が終わりました。
❷ プリンターの印刷設定
設定画面はキヤノンのプリンターになります。お持ちのプリンターにより表示画面は異なりますが、基本的な設定内容として下記の点だけ確認します。
- フチなし全面印刷(お好みで)
- 用紙の種類
- 出力用紙サイズ
- 印刷の向き
最後に【印刷前のプレビュー表示】にチェックを入れておくと、プリント前に印刷される状態を確認できるのでおススメです。
このように用紙サイズに対してのイメージが表示されるので便利です。
ご希望のフレームに納め完成です
フレームは黒額にする必要はありませんので、お好みでお選びください。また…よくあるリボンも不要です。
自宅用であれば小さくオシャレなフレームもたくさん販売されていますので、お好きなフレームをセレクトしてみてはいかがでしょうか。
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リメイクも立派なご供養
一番簡単なリサイズのみ…の加工方法ですが写真によっては、これだけで十分なこともあります。
また…遺影は葬儀後に…いつでも作り直しても大丈夫です。より故人様らしくお部屋にマッチしたフレームでリメイクされるのも供養の1つとなるでしょう。
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残されたスナップ写真から「いいね」と感じるご遺影をお作りいたします。
ご遺影作成の代行も承っております。どのようなスナップ写真でも、ご遺影として満足いただける内容をお約束いたします。