遺影は必ず用意するもの? 一般的な規格やルールを解説します。

今回は…遺影の一般的な規格やルールについてお知らせします。

お葬式 = 遺影 というイメージがあるかと思いますが、必ずしも…お葬式で必要な訳ではありません。

一応…一般的な遺影の規格はありますが、今の時代は、ご遺族様が気に入った写真を使って遺影を作る時代です。

また、遺影はご自宅に飾っている時間の方が圧倒的に長くなります。ですので、葬儀後にご自身で作成してもまったく問題ありません。

遺影とは…?

遺影とは…なんとなく想像がつくかと思いますが、お葬式で飾る額に入った写真のことです。

一般的にお葬式というと、祭壇と一緒に遺影も飾りますが「絶対に飾らなくてはいけない…」というものでもありません。

例えば…家族だけの葬儀なら遺影を飾る必要性はありません。それは、お葬式のときに故人様の顔が直接みられるからです。ですので、わざわざ遺影を飾る必要がないのです。

遺影を飾る目的は会葬者の為

遺影を飾る目的は、式の時間の都合で…お棺の中の故人様と会えない会葬者の為に用意します。

ですので、50名や100名以上の大きな葬儀で「遺影がない…」ということはありません。また、参列者の数が多ければ多いほど遺影のサイズも大きくなる傾向があります。

ですので、会葬者の皆様が故人様と対面できる時間を取れるなら…遺影を用意しなくても大丈夫ですし飾る必要性もありません。

お坊さんからすると、遺影は必要なのか?

お坊さんを葬儀に招くと…当然ですが仏教式のお葬式…ということになります。

そして、お坊さん(仏教)にとって遺影がマストアイテムか…?というと、実はまったく必要ではありません。

逆に「仏壇の中に写真は飾らないでください」と言う、お坊さんのほうが多いのではないでしょうか…。それくらい仏式葬儀において遺影は重要なアイテムではないのです。

お坊さん(仏教葬儀)で大切なのは…本尊

お坊さんが葬儀で重要視するのは本尊【ほんぞん】とよばれる小さな木製の仏像や菩薩や祖師などが描かれた紙です。

この本尊を祭壇に飾らないと葬儀が始まらないくらい…お坊さんにとって重要なのです。特に浄土真宗では、教義により祭壇の最上段に飾ることが多くあります。

葬儀屋さんも…たまには忘れ物をしますが、本尊を忘れたらお坊さんから怒られ、遺影を忘れたらご遺族に怒られます。

また…ご遺族様からすると本尊がなくても全く気づきませんが、遺影がないとスグに気づきます。お坊さんからしたら、その逆になります。

遺影の持ち込みは「あり」なのか?

遺影を自作する前に、葬儀業者へ持ち込んでも使ってくれるのか?…拒否されないのか? 心配されるご遺族様もいらっしゃいますが、持ち込みは可能です。

しかし、値引きには応じてくれないでしょう。

それは葬儀業者の葬儀プランには、はじめから遺影の料金が含まれていることが多く「持ち込んでもOKですが、遺影の料金を差し引く事はできませんよ!」と言われるケースのほうが多くあります。

 スナップ写真を利用した自作の遺影について

直葬や火葬式の場合は・・・?

多くの葬儀業者では、直葬 または 火葬式 などとネーミングされた葬儀プランを販売しています。

このタイプの葬儀プランは、遺影の作成料がオプション(選択制)扱いになっていることが多く、自分で作れば…その費用を節約すことができます。

また遺影の持ち込みも、よほどタチの悪い葬儀業者でなければサイズ問わず自由です。

 直葬(火葬式)についてはこちら

遺影の規格・サイズ


一般的に祭壇に飾られる遺影のサイズは「四つ切【よつぎり】」または「四つ切ワイド」とよばれる用紙が使われています。

額へ入れると上記のようなサイズになります。主に家族葬と呼ばれる20名ほどの葬儀で使用されることが多く、祭壇に飾った遺影を…そのまま自宅でも飾っていただくパターンです。

A4サイズではダメなのか?

四つ切サイズはA4より大きい為、A4プリンターでは印刷できません。

しかし、A4がダメというわけではありませんので、A4用紙で作成した遺影を飾っていただいても大丈夫です。

葬儀後の遺影の行方

葬儀のときは、祭壇のサイズに対して丁度よいサイズか…若干小さく感じると思いますが、自宅へ飾ってみると…その大きさに困ることもあります。

結局は大きなサイズの遺影は飾らずに付随して作られる仏壇用の小さな遺影を飾ることになるでしょう。

そして大きな遺影(四つ切サイズ)は、箱に入れられたまま四十九日や回忌法要の日まで眠ったままになります。

遺影で使われる写真について

遺影用の写真として使われる…ほとんどがスナップ写真です。

現在では、そのまま遺影として作られる場合もあれば…背景だけを消したり…服をチェンジする場合もあります。

また、正面を向いている写真だけではなく斜めを向いていたり、カメラ目線でない写真も最近ではよく使われています。

※ 地域の風習やご遺族様によっては、正面を向いている写真しか選ばないこともあります。

着せ替え・背景替えってするの?
遺影のバックは、よくグラデーションのかかったブルーやグレーのものを見たことがあるかもしれません。

また、服装も着物やスーツに着せ替えられているモノもよく見ます。

しかし、背景や服装の交換は任意ですので原本の写真をそのまま使っていただけます。

個性を重視するか…? 普通を重視するか…?

着せ替えや背景替えなどの写真の加工は、ご遺族様の考えにより異なります。

可もなく不可もなく…といった場合は、着せ替え&背景替えが選択される傾向にあります。写真としてはつまらなくなってしまいますが…誰からもケチが付かない無難な遺影に仕上がります。

反対にスナップ写真をそのまま遺影として使う場合は、故人の情報が多く残りますので「どこで撮った写真?」とか「あの時の写真だね~!」と話が盛り上がるでしょう。

正面を向いている必要はあるのか?

こちらも、ご遺族様の意向によって異なります。

近年では正面にこだわらず…上記のように「目線ではなく表情」を重視して選ばれる皆様もいらっしゃいます。

また…著名な方々の遺影では、正面を向いていない場合のほうが多いのではないでしょうか。

結局…遺影は、自宅で飾る時間がほとんどですので、ご遺族様が希望する写真を遺影として飾ったほうがよいでしょう。

絶対に…タテにしなければダメなのか?

遺影に向きの指定はありません。

しかし主流は昔ながらの縦長となりますが…最近ではモニターに映すタイプの遺影もあり、横長の遺影を使用されることも珍しくありません。

縦長の場合は顔が大きく映りやすいレイアウトなのですが、横長の方がオシャレな遺影に仕上がります。

今後は…横長の遺影が普及していくのではないか…? と個人的には思います。

フレームに対する顔の比率は?


一般的な遺影では、肖像画と同じ…胸から上のバストアップが好まれます。無難ではありますが顔も大きく映り、遺影らしい遺影に仕上がります。

しかし…遺影に正解はありませんので背景やカラダ全体が写った写真を使っていただいても問題ありません。

葬儀用と自宅用で分けて作られるご遺族様もいらっしゃいます。例えば…葬儀用は無難なバストアップの写真を選び、自宅用は気に入った写真をそのまま飾る…といった具合です。

マットは付けるものなの…?
よくフォトフレームを見てみると、ガラスと写真の間にマットと呼ばれる厚紙が入っています。

これは経年劣化により写真がガラスとくっついてしまうことを防ぐためにあるものです。しかし…写真のフチが一回り小さくなってしまうので写っている面積が減ってしまいます。

たまにメンテナンスをすれば、マットを入れる必要もありませんのでお好みで選んでください。マットを挟むと豪華に見えることもありますので、好んで使う人もいらっしゃいます。

黒いリボンを付けて黒い額に納めないといけないの…?

まずリボンは、ただの装飾品ですので付ける必要はありません。(地域によってはリボンを付ける風習が残っています。)

黒い額についても、最近はオシャレなカラーフレームもありますので、黒額にする必要もないでしょう。

ただ…こちらもリボンと同様に地域によって扱いが異なります。

特に地方では「周りと一緒が安心」という考え方が強いので、葬儀業者が1社で独占しているエリアでは周りと一緒に揃えておいたほうが無難なこともあります。

お葬式後に…作り直してもいいの?

はじめに作った遺影に縛られることはありません。

後になってよい写真が見つかったら、それに差し替えて大丈夫です。また、フレームもお好みのモノに変えてしまっても大丈夫ですし黒色にする必要もありません。

よく故人の霊が宿っている…などといわれますが、それはご遺族様の考え次第です。

無駄に「霊」について不安がるのではなく、存命中だった頃のように接していただくことが故人にとって…最高の供養となるでしょう。

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いかがだったでしょうか?

ご遺影も、年々…縮小化する葬儀事情により、必ず葬儀に必要なアイテムではなくなりました。

ですので、葬儀後にスナップ写真をLサイズのフレームに入れて遺影とされているご遺族様も大勢いらっしゃいます。

また、遺影用に撮影した写真は「キレイでも…つまらない」モノになってしまうと個人的には思います。

やはり…スナップ写真の中に生前の情報が多く残されていますので、積極的に利用していただければ…と思う次第です。

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 ご遺影の作成やご不明点などにお答えいたします。


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