そういえば・・・
「檀家になる必要はあるの?」
「お墓を買うと檀家になるの?」
「私って檀家なの?」
などなど、お寺とお墓・お葬式の関係性について疑問があると思います。今回は「檀家になるということは、どういうことなのか?」を紹介いたします。
一般的に、檀家とは?
お寺が管理する墓地で、檀家契約の元…お墓を建てると…檀家という事になります。
一般的に檀家となる「きっかけ」は、お墓を建てるときです。お墓だけ欲しくも…多くのケースで、お寺が管理する墓地(寺院墓地)にお墓を建てたら…檀家になります。
契約書や利用規則を確認
お墓を建てる前に、お寺さんと書類で契約しますので、その際…【檀家】…と記載されています。
お寺さんによってフォーマットは違うと思いますが、例えば・・・当墓地は、檀家に限り利用可能
などと、記載されているはずです。
また、解りやすく【檀家契約書】を用意しているお寺さんもあります。こうして・・・【菩提寺】 と 【檀家】 の関係になります。
一度購入したお墓は、継承されます。
さらに、【菩提寺】と【檀家】の関係は一代限りではなく、子孫の誰か(主に長男)に継承されます。
ですので、檀家のつもりはないけど・・・檀家だった…という事はよくあります。
菩提寺と檀家の関係では、なくなる時
もともと菩提寺をお持ちの方が、檀家を辞める または 自動的に辞めた事になる 場合を紹介します。
新たな家(イエ)を興す
菩提寺と檀家の関係は家(イエ)単位ですので、両親が檀家になったからといって、子供全員が永遠に…そのお寺の檀家になる訳ではありません。
このように、長男がお墓を継承し、次男と三男が家庭を持ち実家(本家)から独立したとします。
そうしますと、次男と三男は本家の菩提寺とは関係なく、お寺や宗教の選択が可能です。もちろん、それらを持たない事も可能です。
また、分家の葬儀・お墓にまで、本家のお寺さんが介入する事はありません。
しかし長い目で見ると・・・
本家がいつ途絶えるか分かりませんので、先祖が眠っているお墓を、子孫達で…どうにかする必要がでてくる可能性もあります。
菩提寺との檀家関係を終了する
檀家を辞めるのは、いつでも自由です。しかし、辞める際の事も、利用規則に記載されていますので確認が必要です。
■ 区画を更地に戻して返却
その工事費用は、お寺さんではなく檀家持ちとなりますので、数十万規模の費用が必要となります。
また、移転先のお墓を用意する必要もありますので、檀家を辞める際は必ずお金がかかってしまいます。
■ 無縁墓の問題
このように、親子間の問題でお墓を継承できなかったり、高額な工事費用の為、そのままお墓を放置する無縁墓の問題が増加傾向です。
檀家になることでのルール(縛り)
檀家制度は徳川幕府の宗教政策として始まり、明治に廃止されましたが、年忌法要や年中行事といった古くから根付いている内容は、依然…続いています。
お葬式 / 戒名 / 年忌法要

また、お葬式でも…菩提寺のお坊さんが様々な儀式を行います。
ですので・・・
ご永眠の際は、お坊さんなら誰でも良いという訳ではなく…菩提寺のお坊さんを招いて、お葬式を行い…戒名を授けてもらわなければなりません。
その後も、年忌法要として…(強制ではありませんが)菩提寺との付き合いが続きます。
お布施について
葬儀や法要になると、お勤めの対価ではありませんが…お坊さんに布施を行います。
本来の仏教では、金額を指定されたお布施は…布施ではありませんし、布施をする相手はお坊さんなら誰でも良い気がします。
しかし、それですと…お寺の収入がなく維持・運営できない事情がありますので、お布施を包む相手は必ずお墓を管理している菩提寺となります。
また、お布施の相場もあり、お葬式では約20万~が一般的となります。お寺さんにもよりますが・・・それとは別に、戒名料として数十万~が必要な場合もあります。
寄付
檀家となれば、一定の間隔で寄付の催促がやってきます。
喜んで寄付される檀家さんもいらっしゃれば、基本的に寄付はしない…という檀家さんもいらっしゃいます。
どちらが正解という訳ではありませんが、すでに…菩提寺と檀家という江戸時代のシステムが成り立たなくなっています。ですので、檀家さんが少ないお寺では、「檀家がいなくなるのが先か…廃寺になるのが先か…」という問題に直面しています。
また、寄付をする檀家さんからすると「同じ檀家なのに、不公平だ…」という声もでてしまいますので、お寺さんにとっても厳しい状況が続くと思われます。
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檀家になる…ということは?
お墓を建てる…という事は、ご自身の為にも…残された親族や関係者の為にも良い事だと思います。
しかし、檀家となる条件で、お墓を建てる場合には・・・
自分のお墓の事だけではなく「檀家としてお寺を支えていく…」という気持ちがなければ、金銭的な不満と負担が発生します。
また、家と同じで…気軽に引越しや解体する事ができません。ですので・・・これからの、お墓の選択は非常に慎重になっていくと思われます。
現在では、永代供養墓や樹木葬、納骨堂タイプなど、石塔のお墓に変わる…お参りのカタチも整ってきおり、子孫に負担がかからない1代限りのお墓も注目されています。