お葬式では、見積書の金額 と 請求書の金額 が同じ額になる事はありません。
せっかく時間を作って問い合わせをしたなら「中途半端な見積もりより請求金額に近い見積もりが欲しい!」という方もいらっしゃると思います。
そこで今回は、業者へ依頼する「総額の作らせ方」について紹介します。
総額の確認で大切なのは下記の7点になります。
- ご希望の予算
- 菩提寺(宗教者)の有無
- 葬儀日数
- 会葬者の規模
- 接待(返礼品・食事)の用意
- 式場と火葬場
- ご安置場所
まず、ご依頼者様のご要望や疑問を解決する事が第一ですが、さらに上記7点の希望が決まっていると、総額に近い見積もりを手に入れる事ができます。
なお、1から順に優先度が高くなります。
葬儀内容の確認
ここで…簡単に葬儀の内容を確認したいと思います。
❶ お葬式の予算
例えば、予算が50万円なら…葬儀内容に関わらず50万円以内を指定します。ご希望の予算でお葬式を行う事は大変重要ですので、はじめに決める必要があります。
また、予算が決まってれば「この予算で提案してよ!」と業者に問い合わせをすれば良いだけですので、業者の葬儀プランから選ぶ必要もありません。
お布施(宗教者へのお礼)を含むのか?
付き合いのあるお寺(菩提寺)がある場合は、お布施の費用も考慮しなければなりません。
同じ50万円の予算でも、お布施で30万円となれば…葬儀業者に支払える金額は20万円になってしまいます。
そして… 菩提寺(お布施)と 葬儀業者(葬儀内容)の、どちらを優先させるかというと…前者になります。
菩提寺との関係は、葬儀後のお墓にも影響しますので優先して考える必要があります。ですので、すべての予算を葬儀業者への支払いに回し、菩提寺のお坊さんを、ないがしろにすると大きなトラブルになってしまいます。
問い合わせの際は…
希望の予算をお伝えください。メールフォームの場合は、希望予算の項目が無い業者が多いので、フリーのテキスト欄に希望の予算を入力ください。
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❷ 菩提寺(宗教者)の有無
また、神道やキリスト教でも、お付き合いがあったり頼みたい宗教者の方がいらっしゃれば、事前にお伝えください。
無宗教・宗教者を招かない葬儀を執り行いたい
お付き合いのある菩提寺(宗教者)がいらっしゃらない場合は、どのような葬儀でも執り行う事ができます。
一般的に 無宗教葬 や お別れ会 または 直葬(火葬式)と呼ばれるお葬式が可能です。お布施(お礼)が必要ありませんので、葬儀業者への支払いだけで済む事が大きなメリットとなります。
問い合わせの際は…
菩提寺(宗教者)と付き合いは、「あり」または「なし」をお伝えください。
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❸ 葬儀の日数
また、式場をレンタルせずに火葬だけ執り行う直葬(火葬式)では、約半日の葬儀となります。
現在では、1日だけのお葬式も珍しくなく…特に「家族や親戚だけで行いたい…」と希望される皆様が増加傾向です。
問い合わせの際は…
下記の日数をお知らせください。
- 通夜と葬儀の2日間
- 葬儀だけの1日
- 葬儀だけの半日
※ 業者によっては、「1日プラン」や「直葬プラン」など…の葬儀プランを選択させる場合もあります。
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❹ 会葬者の規模
会葬者が多いほど、式場をレンタルする一般的なお葬式になりますが、最近では…人数に関わらずご希望のお葬式をされています。
会葬者を多く見込む場合では、ご遺族側がホストとしてゲストをもてなす事も必要となりますので返礼品や食事、また式場のキャパシティも考えなければなりません。
しかし…近年では、会葬者が家族だけ…2人だけ…という事も珍しくない時代となっています。
問い合わせの際は…
招く対象の皆様は、大きく分けて下記の2パターンとなります。
- 家族・親族:(10名)
- ご近所・友人・仕事関係:(15名)
問い合わせの段階では、正確な人数を伝える必要はありません。「だいたい…これくらいです…」程度で結構です。
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❺ 接待(返礼品・食事)の用意
地域により異なりますが、通夜に参列いただいた皆様への「通夜ぶるまい」や香典を頂いた際の「香典返し」の選択をします。
接待費用は、葬儀に招く人数や続柄で大きく異なります。また、香典を辞退して返礼品や食事を用意しない事もありますが、式場をレンタルし通夜と葬儀を行う一般的なお葬式では会葬者をもてなす為にどちらも用意します。
事前の段階では、細かい個数ではなく… 必要か? 必要でないか? の選択で結構です。
問い合わせの際は…
返礼品 と お料理 、それぞれ「必要」または「不要」をお伝えください。
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❻ 式場と火葬場
希望があるとすれば、自宅から近い…駅から近い…低価格で利用できる…といった内容になり、「この式場で葬儀をしたい…」とは、余り思われないでしょう。
また、都市部では葬儀業者が運営している以外の式場も豊富に有りますので、特定の葬儀業者に依存することがなく、相見積もりも有効な手段となります。
火葬場ですが、こちらは数が限られていますので、どこの葬儀業者に依頼しても…式場やご自宅から一番近い火葬場が選択されます。
問い合わせの際は…
式場に対するご要望をお伝えください。
- 自宅から近い…
- 駅から近い…
- 低価格で利用できる
業者のメールフォームによっては上記のような複数の項目が用意されチェックマークを入れる仕組みなっています。
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❼ ご安置場所
一般的には、ご自宅 または 業者や式場の安置施設 の2択となり、地域にもよりますが、都市部ほど業者の安置施設を利用する比率が高くなります。
安置施設でも、ご面会が可能な施設がありますので、預けっぱなし…という事にもなりません。また、故人様の状態によっては冷蔵タイプの安置施設をご利用いただく事もあります。
問い合わせの際は…
「ご自宅」または「施設」の、どちらかをお選びください。
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以上が、総額に近い見積もりを取得する方法となります。
お問い合わせの際は…
業者への問い合わせの際は、❶~❼を伝えると比較的、総額に近い見積もりを入手する事ができます。
ただし、やっつけ作業である場合もありますので、複数の業者から見積もりを請求されたほうが、より正確な情報を入手できます。
最後に・・・
繰り返しとなりますが、❶ から優先順位が高くなり、特に❶ の予算については事前にお決めいただき「その予算で、どんなお葬式が出来るのか?」を確認する必要があります。