接待費用など…と呼ばれている、料理 と 香典返し の…ちょっと詳しい紹介です。
お葬式といえば…料理や返礼品(香典返し)の事も、頭に浮かぶことが多いでしょう。
また「注文のタイミングや、費用はどうなるの?」という疑問をお持ちかもしれませんので、見積書を例に紹介します。
見積書の記載例
見積書では、通常…下記のように料理と香典返しの項目が用意されています。
お料理 | 単価 | 数量 | 合計(税込) |
---|---|---|---|
通夜(鮨セット10名用) | 40,400円 | 2 | 84,888円 |
葬儀(懐石料理) | 3,500円 | 20 | 75,600円 |
両日の飲料代 | - | - | 10,000円ほど |
返礼品 | 単価 | 数量 | 合計(税込) |
---|---|---|---|
会葬御礼品 | 500円 | 20 | 10,800円 |
香典返し | 2,000円 | 20 | 43,200円 |
チェックポイント
見積もりの状態でも、仮の商品と数量が入力されている事が重要です。
項目欄に「ご希望で」や「空白」がある場合は、接待費用がごっそりと抜かれていますので総額と大きな金額の差が発生します。
お料理について
はじめに料理について、簡単にご説明します。
まず、注意点があります。
それは、見積書に記載されている商品も写真で確認する事です。
例えば…「通夜料理」としか記載されていない場合は「どんな料理なのか?」…知る事ができません。もしかすると…かんぴょうとカッパの巻き寿司だけかもしれません。
当然…話を進めていけば、にぎり鮨に変更する可能性が高いでしょう。価格も上がります。
料理の内容は、文字だけでなく写真でも確認したほうが安全です。
❶ 通夜の料理
■ にぎり鮨セット
・にぎり鮨
・上天ぷら
・煮物
・オードブル
❷ 葬儀の料理
■ 懐石料理
・お造り
・焼物 ・煮物
・揚げ物 ・他一品
・ご飯 ・お椀
一般的には、両日で以上のような構成となります。飲料代は、参列人数にもよりますが…両日合わせて1万~3万円ほどをお考えください。
通夜のセット料理は、変更できます。
上記の写真では、にぎり寿司など4点の構成となっていますが、写真通りに注文する必要はありません。お好みの商品を組み合わせる事ができます。
商品カタログもあります。
見積もりの段階で、詰める必要はあまり…ないかと思いますが、最終的には商品カタログを見ながらお決めいただけます。
料金の確定は、注文した数で決まります。
料理の支払い金額は、普通の飲食店と同じで…注文した数となります。
食べきれなかった場合でも…返金する事はできません。ですので…注文数は、通夜と葬儀…それぞれ、前日までにお決めいただければ大丈夫です。
その際は、料理が余り過ぎたり…不足する事態がないように、担当者からのフォローもあります。
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返礼品について
お香典を頂いた際のお返しや、会葬していただいたお礼に品物を用意します。
昔の定番は…お茶や海苔でしたが、現在はクッキーやコーヒーなど様々な商品がラインナップされています。
用意する商品は大きく分けて2種類
❶ 香典返し
■ 2,500円前後の商品
お香典のお返しに用意する商品
❷ 会葬御礼品
■ 500円ほどの商品
香典の有無に関わらず、式場に足を運んでいただいた事へのお礼として渡す商品
以上の2種類になりますが、葬儀プランやご遺族様の意向によって用意する商品は異なります。
近年では、家族や親戚を中心とした家族葬が一般的となりましたので、会葬御礼品は用意せず、香典返しだけをお返しする事もよくあります。
ただ…お住いの場所により風習が異なりますので、隣組や近所の互助組織が残っている場合は、その地域ならではの会葬御礼品も用意する場合もあるでしょう。
会葬御礼品だけを用意する場合
意図的に会葬御礼品だけを用意する場合もあります。
それは、一人ひとり…香典額に応じて、お返しする商品を選択するする場合です。これを「後返し」と呼んでいます。
この場合は、お葬式で香典を受け取り、会葬御礼品をお渡しします。そして後日…香典返しをお送りします。
しかし…近年では負担が大きいので「即日返し」が増えてきました。
即返し…や、即日返し…などと呼ばれ、予め一定の金額(2,000円ほど)の品物を葬儀当日に、お返してしまう方法です。
ご親族やご近所、会社関係の皆様も招く葬儀では、香典の金額ごとに、一人ひとり…品物や宛先を指定するのは手間がかかってしまいます。
本来、このようなお返しの仕方が丁寧なのですが、現在は…時間などの都合上、通夜(葬儀)の当日に、お返ししてしまうのがスタンダードとなっています。
5,000円以下であれば、即返しだけで問題ありません。
1万円以上…包まれる皆様は、別の品物を、お送ります。
親族の皆様などは高額となりますので、改めて別の品物をお送りします。
ならわしでは、四十九日後に送るのですが、当日に即返しとして渡していますので、その延長として法要前に送ってしまう事も珍しくありません。
香典返しの、まとめ
即返し | 香典の金額に関わらず、一定金額の品物を葬儀当日にお返しする方法。 |
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後返し | 金額を確認してから、一人ひとり…金額に見合った品物を葬儀後にお返しする方法。その場合は、会葬御礼品を用意する。 |
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料金の確定は、使用した数で決まります。
返礼品の場合は、料理とは異なり…使用した数量だけ、お支払いいただけます。
例えば…100個、注文したとしても、実際の使用数が70個であれば70個分のお支払いとなります。残り30個分を、喪主様が買い取る事はありません。
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見積書のチェックポイント
香典返しでは、特に希望を伝えない限り【後返し】として見積もられます。
ですので、会葬御礼品として500円のハンカチが20個や30個として計上され、香典返しとなる2,000円ほどの商品は、見積もりに含まれていない事もあります。
お料理と同様に「お返し物が含んでいる…」といっても、「どのような品物なのか?」しっかりと確認しておく必要があります。
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注文しない…という選択
ご遺族様の意向や状況により、注文しない…という選択もあります。
参列者が少数の場合
例えば…参列者が10名に満たない場合などは、ご家族や気心が知れた親戚だけとなる事が多いでしょう。
このようなケースでは、無理に料理や香典返しを注文する必要はありません。葬儀後の食事(精進落とし)は、近所のお店や自宅でも大丈夫です。
香典返しも、葬儀後にギフト屋さんなどで注文する時間も十分ありますし、さほど手間にもなりません。会葬御礼品も身内なら、用意しなくても問題ないでしょう。
香典を辞退する場合
香典辞退は、まだ一般的ではありませんが「弔問客に費用を負担させたくない…」や「お返しが面倒…」などの理由で辞退されます。
この場合も、料理や香典返しは必要ありません。しかし…まだ香典辞退が浸透していませんので、弔問された皆様が戸惑ってしまう事もあります。
また、地域にもよりますが「通夜ふるまいは、当然…用意されているもの」と考える方々もいらっしゃいます。反対に「通夜ふるまいを用意したのに、ほとんど食べてくれなかった…」という事もありますので、葬儀を行う場所や地域性を考慮する事が重要となります。
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以上が…接待費と呼ばれる、料理と返礼品の紹介でした。
接待費は、葬儀費用を考えるうえで大きなウエイトを占めます。
見積書を確認する際は「どんな商品が…いくつ含まれているのか?」をチェックし、もし相見積もりの場合は…それぞれを比較する事も大切です。
パッと見で安く見えても、結局…計算していくと…どこの葬儀業者でも、たいして変わらない料金になります。
それは、葬儀業者が返礼品屋や料理屋を運営している訳でなく、提携しているからです。ですので葬儀業者が違っても、返礼品屋さんや料理屋さんは一緒の場合もよくあります。