直葬 または 火葬式 と呼ばれる葬儀スタイルって、実際…どうなの?
こんな疑問や心配をされていませんか? 実は…この直葬は、都市部では既に一般的なお葬式で、家族葬と同じくらい普及しています。
そんな直葬ですが…ご遺族様から質問をいただきますので、その中でも…よくあるご質問と返答を紹介します。
お葬式前のご質問
直葬では、寂しいですか?供養になりませんか?
ご遺族様により、寂しいか…寂しくない…の感じ方は異なるでしょう。しかし…決して寂しいお葬式ではないと感じます。
それは、多くの方々に見送られる機会や大きな祭壇を用意すれば良いというものではなく、喪主様やご遺族様の考えが一番、尊重されるべきだからです。
「ご遺族様の希望通りのお葬式 = 満足度の高いお葬式」となりますし、「自宅から出棺できた事が最高のお葬式だ」と思われるご遺族様も多くいらっしゃいます。
また、お坊さんの読経や戒名は、数ある宗教の中の1つに過ぎませんので…気にしない方は全く気にしていません。だからといって…ご先祖を粗末にしている訳ではなく、写真や遺品を飾ったりと…大切にお参りをされています。
お坊さんが居る…居ない…は、お気持ちの問題ですので供養とは関係ありませんし、ご遺族様が供養すれば済む事です。
もし、心配であれば…お坊さんの派遣サービスもありますので、ご依頼していただければと思います。
直葬では、親族は不満でしょうか?
こちらも故人様の年齢や対象者様、地域の風習により異なります。
直葬(火葬式)という葬儀形態をご存じでない皆様には驚かれる事もありますが、直葬が浸透している都市部では理解していただけます。
火葬場によっては、火葬中に食事の時間が取れますので、そこで 精進落とし をされるご遺族様もいらっしゃいます。
また、費用的な面もありますので、ご遺族様の過度な負担にならない為にも、高額な葬儀ではなく直葬を選択する事が大切です。
生前、故人は「葬儀は直葬でいい…」と言っていたのですが、本当に直葬で良いのでしょうか?
今の時代…「自分の葬儀は盛大に送ってほしい!」という方はあまりいらっしゃいません。
どちらかと言うと、送られる側は葬儀に興味がありません。ですので、お金に余裕があっても内心は「任せるよ…もう居ないし…」と思っている方々がほとんどです。
直葬でも…数十万という金額ですので、予算の範囲で葬儀プランを決める事が先決です。お墓に入ることまで考えれば、墓石の費用やお布施も考えなければいけません。
最終的には、ご遺族様の想いやお考えに委ねられます。通常のお葬式が正解で、直葬が不正解という訳ではありませんので、気持ちを込めて送れるお葬式をご選択ください。
直葬でも、お墓に入れますか?
お葬式 と お墓 と 宗教 の選択は自由です。
もちろん、直葬でもお墓を購入して納骨される事に問題はありません。また、葬儀後にお墓探しをされる方も大勢いらっしゃいます。
地域によっては四十九日までにお墓を用意するのが良いとされている事もありますが、それは…葬式仏教的な考えですので、常識ではありません。
大切なのは…納得したお墓選びですので、それまでは自宅にお骨をご安置ください。もともと故人様のお家ですので、何年ご安置されても大丈夫です。
お坊さんと菩提寺に関するご質問
菩提寺(ぼだいじ)とは?
先祖代々のお墓を管理している寺院の事です。基本的に、お寺の敷地にお墓を建てている皆様は、お寺を支える檀家(だんか)となり、お葬式や法要の際は、菩提寺に知らせなくてはなりません。
直葬でお骨にしてから、菩提寺のお墓に入ってもらおうと考えていますが…大丈夫ですか?
これは、菩提寺をお持ちの皆様から、たまにある質問です。
まず、直葬(火葬式)する前に、お寺さんと話が付いていれば問題ありません。
お布施の問題や納骨の段取りもありますので、ご住職との相談が必項となります。しかし、お寺さんに何の相談もなく、火葬後いきなり骨壺を届けに行ってしまうとトラブルになる可能性が高くなります。
最悪…お墓に入れない事態になってしまう事もありますので、事前にご相談ください。
菩提寺が無いのですが、直葬でも読経をお願いしたい。
これは上記と逆のパターンになります。
「当日だけでよいので…お坊さんを招きたい」という皆様からの質問ですが、お坊さんを招くことも出来ますのでご安心ください。
費用はお布施というカタチになり、お坊さんに直接お渡しします。そのお布施の額は、5万~6万円が相場となっています。
直葬(火葬式)のご質問
直葬は少人数のお葬式と聞きましが、何名まで対応できますか?
直葬の場合では10名様以下の参列になる事が多いのですが、基本的には、何名様でも対応可能です。
しかし、通常の葬儀とは異なりますので、20名様を超える参列の場合は、事前にご相談いただく事でスムーズ対応可させていただきます。
直葬の料金は、実質いくらくらいになりますか?
葬儀業者の価格表示や、ご遺族様の要望で異なりますが、コミコミで25万~40万円の間となるでしょう。
別売りのオプションを希望すると高めの金額になりますが、最低限で良いという場合は25万円~30万円に近くなる傾向があります。
直葬でも葬祭補助費は貰えますか?
葬儀の内容を問わず、葬儀業者が発行する領収書があれば申請できます。
自治体にもよりますが、3万円~7万円の間で支給されまが、受け取るタイミングは葬儀後となりますので、お気を付けください。
お花は飾れますか?
直葬の場合は、葬儀式場を利用しませんので、花祭壇や名札の付いた供花を飾る事ができません。
しかし、ご自宅のスペースでは枕花や大きめの供花やフラワーアレンジメントを飾っていただけます。
※ 火葬場には、大きめのお花(祭壇や供花)を飾るスペースはございません。
火葬中に、軽食や懐石膳を振舞うことは可能ですか?また、持ち込みは可能ですか?
火葬場によって異なります。
東京都では自治体が運営している火葬場と企業が運営している火葬場の2パターンに分けられますが、前者の場合では、食事を振舞うことも飲食物を持ち込むことも可能です。
しかし、後者の企業が運営している火葬場(主に23区内)では火葬中の食事(精進落とし)はできません。また、お料理等の持ち込みもできません。
ですので、精進落としをされたい場合には、事前に…お遺骨が安置できるお店などを予約する必要があります。
直葬でも、香典返しを用意しますか?
直葬でも、香典返しを用意する事は可能です。香典返しは、ご遺族様が用意しても葬儀業者に注文しても構いません。
しかし…直葬の場合は、ほとんどのケースでご遺族様だけか、気の知れたご親族様となりますので、お香典は辞退される傾向にあります。
お焼香は可能ですか?
どこの火葬場でも、火葬前や火葬炉に納めた後にお焼香が可能です。
自宅に安置する場合と火葬場の安置室に安置する場合では、何か変わりますか?
都市部では、ご自宅より火葬場内の安置室を希望されるご遺族様のほうが圧倒的に多い状況です。
ご自宅と安置室で葬儀の内容が異なる訳ではありませんが、ご自宅での安置では、出棺までの時間をフルに利用できますので、ご納棺から旅支度までご遺族様の手で行うことが可能です。
一方…火葬場での安置の場合では、直接…火葬場にご遺族・ご親族が集まっていただきます。そこから、10分ほどのご対面とお別れの時間となりますので、ご遺族様によっては短いと感じられる事もあります。
また、時間の都合上、旅支度や納棺の儀式も葬儀業者側で行われる事が多くあります。ですので、住宅の事情も有るかと思いますが、ご自宅に安置される事をおすすめします。
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いかがだったでしょうか?
以上が直葬(火葬式)について、よくいただくご質問になります。
通常のお葬式と比べコンパクトな分、儀式的な事は省き短い時間の葬儀となりますが、逆に「こういう葬儀があって助かります…」という多くの声があるのが現状です。
直葬(火葬式)だからといって、寂しいとか成仏できない訳では決してなく、ご遺族様のお気持ち次第で満足のゆくご葬儀になります。今は直葬でも何の不思議もありませんので葬儀プランの1つとしてご一考いただければと思います。